EC業界は国内の中で少ない成長市場の1つです。
コロナウイルスの影響も受け、ネットで買い物をする習慣が更に広がりを見せ、成長速度も早まってきています。
この記事では、そんなEC業界で活躍するECコンサルタントについて、業務内容や求められるスキル、大手企業や選べるキャリアなどについて解説していきます。
ECコンサルタントに求められるスキルとは?
ECコンサルタントに必要なスキルは非常に幅広く、それだけ難しい職種と言えます。
理由としては店舗運営全体を考慮した最適化が必要なため、開店準備(ECサイト構築)から商品の仕入れ、販売、決済、配送、店舗運営効率化、組織づくりにまで及びます。
一例をあげると、単にWeb広告だけに優れていてもECサイトの売上を改善することは難しく優秀なECコンサルタントにはなれません。広告集客だけではなく、商品の見せ方や配送や決済までも含めた改善策が求められます。
全ての分野のスキルを極める必要はありませんが、自身の強みと、それに関連するスキルはそれなりに詳しくなっておく必要があります。
ECコンサルタントの分類
ECコンサルタントのカバーすべき分野は非常に広く、各分野に精通した様々なコンサルタントが活躍している状況です。
主なECコンサルタントの分野を紹介します。
分類 | 説明 |
---|---|
ECサイト構築 | ECサイト構築に強い |
EC運用代行 | 商品追加や顧客対応、メルマガ配信の代行等 |
Amazonコンサルタント | 出店サポートや集客支援 |
楽天市場コンサルタント | 出店サポートや集客支援 |
Yahoo!ショッピングコンサルタント | 出店サポートや集客支援 |
自社ECコンサルタント | 上記含む全体の支援 |
越境ECコンサルタント | 上記支援及び言語対応 |
ではそれぞれについて説明していきます。
ECサイト構築
通常のサイト構築と比較して対応が必要な範囲が広いのが特徴です。
例えば、商品の検索機能やカート以降の決済機能、場合によっては在庫管理や物流機能まで関わる必要があります。
大変な反面、そこで信頼を得て、開店後のサイトの売上も好調であれば、サイト維持や改善費用で安定的な売上を得ることができます。
ECサイト構築サービスである、EC CUBEやShopifyなどへの理解も必要となります。 ディレクターを中心にデザイナー、コーダー、エンジニア等が活躍しています。
EC運用代行
ECサイトオープン後の、商品の入れ替えや、発送、顧客対応などを顧客に変わって対応しつつ、売上改善のための集客やサイト改善などを顧客と共に相談しながら進めていきます。
どれだけ日々の業務をミスなく効率的に行うかを求められます。
顧客が中小企業の場合は、アドバイス中心で実務はクライアント側で実施し、クライアントが大手であれば代行面の業務が多くなるのが特徴です。
Amazonコンサルタント
世界一のショッピングモールであるAmazonへの出店代行やサポートの他、その後の集客広告やページの改善などをサポートします。
国内だけでなく、海外のAmazonへの出店にもつなげやすいため、英語が話せれば業務幅は広がりやすいです。
楽天市場コンサルタント
自分自身が出店していた場合や、現役や元楽天の社員がコンサルタントとして活躍しています。
店舗の見せ方やメルマガ配信のアドバイス、広告や各季節のセール対応などをサポートします。
他のECモールと比較すると人数が多いので、自身をどのように差別化するかが課題となります。
Yahoo!ショッピングコンサルタント
3大モールの中では最も売上規模は小さいですが、それだけ競合となるコンサルタントが少ないのが特徴です。
Yahoo!ショッピング支援のみではなく、他のECコンサルティングのスキルと絡めて提供する等しているコンサルタントが多いのが特徴です。
自社ECコンサルタント
自社ECのコンサルタントの場合は、サイト構築前から関わる場合とサイト構築後から関わる場合があります。
またモールと異なり、集客が無い状態からスタートするため、Web広告やSEOなどの集客施策のスキルが求められます。
その他、サイト改善や物流・決済など幅広いスキルも求められます。
場合によってはECモールへの出展支援を求められることもあります。
越境ECコンサルタント
自社ECコンサルタント同様、幅広いスキルが求められますが、それに加えて、多言語対応が必要となる点が特徴です。
海外となると、日本と状況が異なりますし情報が少ないことから、都度調べながら対応となることが多く、英語や中国語など対応エリアの言語があつかえることは必須です。
その反面、売上を上げる難易度も最も高く、顧客の予算感も少額なことが多いため、大変だけどあまり儲からないという特徴もあります。 一見すると可能性に満ちている市場ですが、参入するにはかなりのスキルと覚悟が必要となります。
ECコンサルティングに強い会社とは
企業名 | 設立年 | 従業員数 |
---|---|---|
株式会社いつも | 2007年 | 217人 |
株式会社アラナタ | 2007年 | 120人 |
株式会社JSコンサルティング | 2014年 | 非公開 |
株式会社TRYANGLE | 2013年 | 非公開 |
株式会社ペンシル | 1995年 | 140人 |
株式会社プランジスタソリューションズ | 2018年 | 非公開 |
株式会社ECコンサルカンパニー | 2000年 | 7人 |
ECコンサルタントの転職先やキャリアの選択肢とは?
様々なスキルを身に付けることができるECコンサルタントのキャリアの選択肢は多様です。
先に紹介した企業などの支援会社への転職の他にも、広告代理店や事業会社、起業・独立などの選択肢があります。
広告代理店
営業経験やWEB広告のスキルがあれば、高く評価され年収を上げて転職できる可能性が高いでしょう。広告集客回り以外でも、ECサイト全般の知識があれば、クライアント側の業務内容を理解した提案ができるため、その他のスキルも評価される可能性があります。
企業数も多いため、求人数も多いですし、大手代理店への転職が成功する可能性もあります。
企業によっては金融系に強い等の理由で不採用になる可能性もありますが、多くの企業で物販やEC系のクライアントはメインの顧客市場であり、ECは特に難しいジャンルと考えられているので内定を貰える確率が高いです。
事業会社
自社でEC事業を運営している企業からも内定は得やすいでしょう。
企業によりますが、大手を中心に待遇や労働環境が良いため人気の求人ですが、ECコンサルティング会社での業務経験は評価がされやすいので、チャレンジしてみる価値はあるでしょう。
ただ、転職先の商材が自身の興味と合うか、これまでの支援実績と合うかなどを考える必要があります。
また、事業会社(メーカー中心)の社員は転職回数が少ないことも特徴で、転職回数が多い場合は、すぐ転職するのでは?と敬遠される可能性もあるので注意しましょう。
起業・独立する
顧客となり得るEC事業者は個人事業主も含め数が多く、成長産業であるため、起業・独立する人も多くいます。
ただ、独立後は、自身のスキルが古くなってしまい、これまでのように所属企業の社内の事例を元にした改善提案ができなくなるので、その点が課題となります。 自分自身もECサイトを運営したり、勉強会に参加する等して、常に学べる環境を用意することが大切です。
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