失敗しないテストマーケティングの方法とは?【Web広告編】

テストマーケティングとは、多くの予算をかけてプロモーションをする前に、少額の予算でリスクを減らした状況で情報を得るために行うプロモーションです。

Web広告におけるテストマーケティングは極論100円などの少額からでも始められるためテストマーケティングは実施しやすいですが、いざ実施しようとすると、どのように進めて良いか分からないことも多いと思います。

この記事では、Web広告におけるテストマーケティングの進め方や注意点を説明します。

テストマーケティングの種類

テストマーケティングの基本的な概念はリスクを最小化するために、何かしらの要素を最小化してマーケティング活動をおこない、仮説(この商品は売れる等)を検証しますが、何をリスクと捉え、最小化するかにより幾つかに分類することができます。

商品や機能を一部に限定する

Webプロモーションは極論100円などからでも始められるため、広告を実施すること自体にはそれほどリスクはありません。

ただ、広告の遷移先であるECサイトやホームページの作り込みとなると100万円単位で費用が発生してしまいます。

そこで、商品や機能を一部に限定して、安価に広告の遷移先ページを作りテストマーケティングを行うという方法があります。

一番売れる商品やカテゴリーに絞ったサイトを制作しプロモーションすることで、多くの費用を費やしてつくったサイトでのプロモーションが全く売れなかったという失敗リスクを下げることができます。

広告予算を限定したプロモーション

広告予算を多くかけられず、極力最小コストでテストマーケティングをしてみたいという要望は多くあります。

この場合は、実施期間を限定したり、ターゲットを最も有力と思われる一部分に限定したり等の方法があります。

広告代理店を活用する際などは、最低契約期間や初期設定費などが発生する可能性があるため事前に確認しておく必要があります。

仮説検証のためのテストマーケティング

先に紹介した2つとは異なり、様々な仮説を検証するためのテストマーケティングもあります。

この場合、販売や問合せ等の通常のプロモーションのゴールとは異なる指標を目的として進めていくことになります。

この場合、最小化するリスクは、初めから最終ゴール(契約成立等)を目的としてプロモーションをした場合、失敗するリスクが高く、失敗から得られる改善点も得られない可能性です。

はじめから情報収集や仮説検証を目的としてテストマーケティングを実施することで、結果として早く効果的なプロモーション方法にたどり着けることを目指しています。

例えば反応の良い国や地域を特定するために、広範囲にわたって広告を配信し、CTRやサイトの滞在時間などを分析してみたり、広告のクリエイティブでどの訴求の反応が良いかを最重要視する場合などがあります。

より反応を得やすいように特別なプレゼントキャンペーン等を設定して、申込のハードルを下げた状態で実施する等して、多くの情報を得るのも良い方法です。

テストマーケティングの進め方

テストマーケティングで失敗しないためには次の手順で進めていくことが大切です。

  1. 最小化したいリスクを決める
  2. テストマーケティングの目的を決める
  3. 期間・方法・評価指標を決める
  4. 仮説(シミレーションを立てる)

それでは順に説明していきます。

1.最小化したいリスクを決める

テストマーケティングを実施する上で、最小化したいリスクはサイト制作費なのか、広告予算なのか、もしくは仮説検証が大切なのか等を決めます。

そのリスクを最小化させるためには、何が制約条件となるのかを全体で共通認識を持った上で、次のステップへ進みます。

2.テストマーケティングの目的を決める

決定した制約条件の中で、何を目的にプロモーションを行うのかを決めます。

「一番自信のある商品が実際に売れるのかどうか?」、「商品AとBはどちらが人気なのか?」、「対象とすべきターゲットはどれなのか?」など、何を判断するべことがテストマーケティングの目的なのかを決めます。

3.期間・方法・評価指標を決める

テストマーケティングの目的を達成するための、実施期間やテスト方法、評価指標を決めます。

実際に、テストの目的を定めて開始したテストマーケティングでも、それを判断できる方法が選ばれていないということが良くあります。

最も多いのは評価指標を定めていないことです。

その商品が人気かどうかを判断することが目的であれば、キャンペーンを実施してAとBの応募数を判断基準にする等、事前に決めておきましょう。

4.仮説(シミレーションを立てる)

最後にシミレーションを立てましょう。

ここまで計画してきても、実際は予算や期間が限られていて、評価基準とした数値が少ししか集まらないということはよくあります。

AとBのどちらが良いか判断するような場合にも、数値が2と3というような結果であれば、どちらが良いとも判断がつかず、テストマーケティングを実施した意味が無くなってしまいます。

これまで立てた計画が、ちゃんと成立するかどうか、事前にシミレーションを立てて、失敗するリスクを減らしておきましょう。

テストマーケティング実施時の注意点

テストマーケティングでよくある失敗例とそこから得られる注意すべき点を幾つかご紹介します。

サイト制作予算の絞り過ぎ

サイト制作を最小限の予算で実施するテストマーケティングでは、結果的にサイトの貧弱さが要因で、本来の商品の魅力が伝わらないという失敗が良くあります。

具体的には商品詳細ページの情報が少なかったり、TOPページが魅力に欠ける、申込手続きが分かりにくい等です。

掲載する商品数などを絞るなどしてコストを抑えることは良いのですが、最低限おさえるべき点はおさえたサイトをつくるようにしましょう。

商品数の絞りすぎ

本来商品ラインナップが決め手の商品ジャンルにおいて、商品数を絞ってスタートしてしまうと、本来は売れていたかもしれないところが、失敗に終わってしまうこともよくあります。

特に自社商品ではない場合などは、カテゴリーをできるだけ絞るなどして、その絞ったジャンルの品ぞろえは他に負けない状態でスタートする必要があります。

広告予算の絞り過ぎ

広告予算を絞り過ぎて、テストに必要な評価軸の数値が集まらない失敗もよくあります。

事前にシミレーションを立てて評価軸の数値がしっかり集められるだけの予算や期間を準備することが大切です。

もしくは、検証したい点が予算に対して多すぎて結局どれも、検証できずに終わってしまう失敗もよくあります。

多くの点を一度に検証するのは失敗の元なので、優先度を決めて、優先度の高いものから順番に検証していく方法が安全です。

まとめ

Webマーケティングにおけるテストマーケティングは実施のハードルが比較的低いように思われており、気軽に議題には上りますが、実際に実施しようとすると考えるべき内容が多く、失敗してしまいがちです。

事前にしっかりと準備し、(1)最小化したいリスクの決定(2)テストマーケティングの目的を決め(3)期間、方法、評価軸を決め(4)シミレーションを立てる等のステップを経て進めることが重要です。