Web広告のマーケティングにおいては広告レポートを分析してそこから課題を抽出し改善案を考える作業を日々おこなっていきます。
ただ初めての人にとってはレポートのどこを見て、どのように考えていけばよいのかが分からないという場合も多くあることでしょう。
この記事ではレポート分析のコツや主な改善施策を、現役のWeb広告運用者が解説します。
Web広告業界をこれから目指す人や、転職したばかりで勉強中の方は参考にしてみて下さい。
最初に見るべきレポートの項目
レポートを見る際にまず注目すべき点は、最も成果が良い部分と逆に最も成果が悪い部分です。
理由はその2点が最も改善による効果が大きくなるからです。
Web広告では打ち手ややるべきことが無数にあり、やみくもに改善策を実施していてはとても時間が足りません。
どれだけ短時間で効率よく成果を改善できるかが重要です。
最も成果の良い部分と、悪い部分を見つける為には、コンバージョン数とコンバージョン単価に注目します。
コンバージョン単価が最も低く、数も多いキャンペーンは成果が良く、逆にコンバージョン単価が高く、数が少ないキャンペーンは成果が悪いと言えます。
具体的に1つレポートを分析してみましょう。Google広告とFacebook広告を実施しているプロモーションのレポートです。
念のため補足しておくと、IMP=表示回数、CTs=クリック数、CTR=クリック率、CPC=クリック単価、COST=費用、CV=購入コンバージョン、CPA=コンバージョン単価、CVR=コンバージョン率です。
このレポート分析からわかる最も成果の良いキャンペーンはGoogle広告の一般検索の広告グループAと言えます。
指名検索の方がCPAは若干低いですが、CV数は一般検索Aの方が約2倍多いので、こちらを改善した際の影響が大きい、最も成果の良いキャンペーンと考えます。
逆に最も成果の悪いキャンペーンはFacebook広告の広告グループAとなります。CPAが他のキャンペーンの2倍以上と高騰しています。
このレポートを見て、まず課題を発見する必要がありますが、この2点を改善するということを見極めるのがまず重要な点です。
課題の要因を深掘りする
次に見るべき点は、発見した課題をより詳細に分析して、その原因を見極めることです。
最も成果の良かったGoogle広告AはCVRが指名検索並みに高いことが見て取れます。更に詳細に広告グループ内を分析するために、同グループのキーワードレポートを見て、成果の良いキーワードを特定していきます。
最も成果の悪かったFacebook広告新規Aでは他の広告グループよりCTRは高いですが、CVRが極端に低く結果としてCPAの高騰を招いています。
CTRは高いがCVRが低い際には、広告で必要以上に期待を煽り、結果サイト上では期待を裏切るような訴求になっている可能性があります。
今一度、広告の訴求内容と遷移先のサイトの内容に違和感が無いか確認すると良いでしょう。
課題に対する改善案の考え方
レポートを分析し、着手すべき課題点を見つけ、その要因を深掘りしてきました。
次に、それぞれの課題に対する改善案を考えていく必要があります。
まず成果の良いキャンペーンに対してできる最もシンプルな改善案は予算の増額です。
プロモーション予算に余裕があればシンプルに予算を増やしますし、全体の予算は増やせなければ、成果の悪いキャンペーンの予算を減らし、その分を重点します。
今回のケースであれば、Faceboook広告新規Aを停止もしくは抑制して、その分をGoogle広告一般検索Aに充当します。
更にもう少し細かく見るとすると、良い部分の要因を探ってそこを更に伸ばせないかと考えます。逆に悪い部分の要因を探し、その要因を減らすと考えることも重要です。
今回の件では、成果の良いGoogle広告一般検索のキーワードレポートを分析し、成果の良いキーワードにより予算が集中するよう調整したり、成果の良いキーワードに関連するキーワードを追加したり等の手が考えられます。
成果の悪いFacebook広告新規Aの場合は、先ほども言いましたが、広告とLPの内容に違和感が無いかをチェックして、広告を作り直したり、ターゲットの見直しなどが改善案として考えられます。
その他のよくある改善案
今回紹介した例以外にもWeb広告を運用していく中で実際によくある改善策を幾つかご紹介します。
入札戦略の改善
Google広告でよく実施する改善案です。
最近のプロモーションでは自動入札が一般的で、手動入札のアカウントは見る機会が減ってきましたが、それでも昔から運用されているアカウントなどでは手動入札やそれに伴うキャンペーンの不要な細分化がされている場合もあります。
そのような場合にはまずは目標コンバージョン単価制などの自動入札を導入することで成果が大幅に改善することがあります。
また自動入札をより機能させるために、近しいキャンペーンや広告グループを統合する等も同時に行います。
キーワードの除外・追加
こちらもGoogle広告で特に検索広告において一般的な改善方法です。
Google検索広告でのCTRやCPC、CVRの成果改善が必要な際に効果的です。
検索広告ではどのキーワードに対し費用を払い、どこに対して払わないかのコントロールが重要になります。
まずは不要なキーワードを除外し、その上で、成果の良いキーワードを探すために実績などを元にキーワードを追加していきます。
広告運用者の腕の見せ所になるので、商材やそれを求めるユーザーのニーズを想定し、キーワードの削除・追加を実施していきましょう。
広告クリエイティブの改善
Facebook広告やGoogle広告含め、広告クリエイティブの改善は重要です。
特にCTRやCPCの改善が必要な際には非常に重要な改善策になります。
ただCTRが悪くてもCVRが良い広告なども存在するため、その2つの指標を分析した上で、広告の良しあしを決めて改善を重ねていきましょう。
バナー広告であれば、より影響度の強いバナーイメージ部分から改善を始めますし、検索広告であればタイトルの部分から改善していきましょう。
レポート分析の際の注意点
ここまで基本的なレポート分析における注意点をまとめましたが、それ以外にも注意すべき重要な点を幾つかご紹介します。
成果の推移と過去の改善策から考える
基本的な内容にはなりますが、2回目以降のレポーティングでは、前回のレポーティングからの改善案がどのように成果に影響し、結果良い改善策だったのか、悪い改善策だったのかを判断する必要があります。
前月のレポートと今月のレポートを比較し、改善策の成果を分析して、良かった施策は継続もしくは拡大し、悪かった施策は停止もしくは修正するといことが大切です。
そのため、実施した改善策についてはいつ開始し、どのような変更を加えたかは必ずまとめておきましょう。
競合や市況や季節要因を考慮する
成果の変化は競合や市況・季節要因に起因していることが多いです。
その際は、レポートやアカウントをいくら分析してもなかなか良い改善策は生まれて来ません。
どうも要因が内部になさそうだなと思った際には、あまり時間をかけ過ぎず、競合のサイトでの変化(新しいキャンペーンや商品性の変更、新規競合の出現)などを調べましょう。
また1年以上続いているキャンペーンでは、月別の成果の推移を把握することは非常に重要ですし、そういったデータが無かったとしても、季節要因を考え仮説を設定して、月別の好不調を予測することは非常に重要です。
サイトや商品の変更による変化の可能性も考慮に入れる
広告代理店として広告主のWeb広告を実施している際に、季節要因などの外部要因と並んで意外と見落としがちなのが、サイトや商品の変更です。
事前に変更の連絡を貰っていれば問題ないのですが、事前に連絡がなく、サイトをリニューアルしたり、商品の一部変更やキャンペーン内容の変更が行われることはよくあります。
事前に些細な変更でも連絡をもらうよう広告主に伝えることに合わせて、内部での変化要因が見つからない際は、この要因も検討するようにしましょう。
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