Web広告におけるABテストのプラン設定時の注意点

Web広告ではABテストが実施しやすく、人により意見が分かれる際などには、あれこれ議論するよりもABテストをしてみましょう、という話になります。

ただABテストを実施する際には幾つかの注意点を守らないと、正しくテスト検証することができません。

この記事ではWeb広告におけるABテスト実施時の進め方や注意点を現役のWeb広告運用者が解説していきます。

ABテストとは?

WebプロモーションにおけるABテストは具体的には以下のようなものがあります。


  • 広告バナーのABテスト
  • ターゲティングのABテスト
  • LPのABテスト
  • 広告メニューのABテスト


これらは複数の選択肢があり、最善策がわからないのが特徴です。

”なんとなくAのバナーの方が良い気がする”というように思えても、それが本当化は分かりませんし、そう思っているのは一部の人だけで、別の人は別のB案の方を良い気がすると感じているかもしれません。

またWeb広告においてはAbテストが実施しやすいため、常にABテストを繰り返すことによって、常に広告を改善していくことで成果改善をすることができたりもします。

ABテストの実施方法

ABテストの流れは以下の通りです。


  1. 検証したい仮説を決める
  2. 仮説を検証できるテスト対象のA案とB案を用意する
  3. 評価軸となる指標と期間、広告予算を決める
  4. できるだけ同じ条件で2つを同時に広告配信する
  5. 配信結果を分析し、正しい仮説から更なる改善案を考案する


では順番に詳しく説明していきます。

1.検証したい仮説を決める

先ほど”なんとなくA案が良い気がする”という状況の話をしましたが、ABテストを実施する際は、何となくではなく、なぜA案が良い気がするのかを一つの仮説迄落とし込む必要があります。

例えば、A案のバナーはサービスの利用風景画像なので、利用シーンをイメージしやすい。B案は商品のメリットが箇条書きになっていて、イメージがしにくい。

この場合、仮説は「少し複雑なサービスであるこの商品は利用風景を訴求した方がよいのではないか?」ということになります。

この仮説が無いと、テストを実施し終わった後に、A案とB案の勝者は分かっても結局なにが勝敗を分けたのかがわからず、改善のアクションが取りづらくなってしまいます。

2.仮説を検証できるテスト対象のA案とB案を用意する

「少し複雑なサービスであるこの商品は利用風景を訴求した方がよいのではないか?」という仮説を検証するために、2つの広告バナーを作成します。

この時に重要なのは仮説を検証するために、1つは利用風景を載せてバナーで、もう1つは利用風景を載せないということです。

また2つのバナーは利用風景を載せない点以外は極力、異なる点を減らすことも重要です。

そうしないと、利用風景が載っていないバナーは別の要素で成果が良かったり悪かったりしたのではないかと迷いがでてしまう可能性が高まります。

もう1つ重要な点としては、2つのバナーの違いはできるだけ大きくすることです。

バナーの違いが利用風景のある無しの場合、利用風景部分が小さくては、テスト結果に差が出ずにくく、検証ができずに終わってしまう場合があります。

3.評価軸となる指標と期間、広告予算を決める

検証用のA案とB案ができたら、次は評価軸を決めます。

広告バナーの場合、多くはCTR(クリック率)やCVR(コンバージョン率や数)となります。

指標が決まったら、ABテストの期間と必要な広告予算を決めます。

この2つの要素は、結果を表す指標の蓄積具合から逆算して出します。

例えば、購入CVを指標とする場合、合計50CVがでるまでテストし、CVの多い少ないで優劣を判断するとします。

過去の事例から1購入コンバージョン当たりの単価が2,000円だった場合、2000円×50CVの100,000円が必要になります。

期間に関しては通常、1日1万円程度の予算を使っていた場合、10日程度必要と判断できます。

1日5万円広告を配信し2日で成果を見ることも不可能ではありませんが、いつもと大きく異なる予算での広告配信は、テスト結果として別の変動要素を含むことも考えられるので、できるだけ通常と同じペースでテストを行うようにしましょう。

4.できるだけ同じ条件で2つを同時に広告配信する

テスト用の広告と評価指標や予算、実施期間が決まったらいよいよABテストを開始しましょう。

この際に重要な点は、検証軸以外の要素を極力同じにすることです。

当然、予算配分は同じにしますし、ターゲティング等も同じにしましょう。

fakebook広告やGoogle広告にはABテスト用の機能が備わっており、広告配信対象が被らないようにするなど、より正確にABテストを実施できるようサポートしてくれます。

5.配信結果を分析し、正しい仮説から更なる改善案を考案する

テストが終わったら結果を元に、どの仮説が正しかったのかを導きだします。

重要なのは結果から、改善策を実施していくことです。

最も簡単な改善策は、悪かった広告を止め、良かった広告の予算を増やすことですが、更に改善を続けていくのであれば、良かった広告の持つ要素を分解し、更に良い可能性のある広告C案を作成しテストを続けていくことです。

ABテスト実施の際の注意点

ABテストの実施方法を説明してきましたが、最後に陥りがちな失敗への注意点を紹介します。

複数のテストを同時進行させない

先程お伝えした通り、テストには一定の予算や期間を設定する必要があります。

その為、複数のテストを同時並行で実施しようとすると、予算が足りなかったり、テスト同士が干渉しあい、結果に影響する可能性も高くなります。

予算が潤沢にある場合や、お互いに干渉しない別の観点のABテストという場合を除き、テストを複数実施したい場合は、優先順位をつけ、1つずつ実施していくことをお勧めします。

ABテスト計画をつくる

ABテストを実施していく際には、優先度に応じて順番に1つずつ進めて行くことが成功のポイントとお伝えしましたが、1つテストを実施して、次のテストを考えるという方法では時間がかかるのと、検証軸が重なっりして効果的なABテストを行うことができない場合があります。

そうならないように、事前にテストしたい項目を決め、より成果に直結しそうな内容やより大きな概念のABテストから順に計画的に進めて行きましょう。

また、テスト対象のバナー広告をつくる期間なども考慮して、事前にバナー企画案やデザイナーの手配を済ませておくことも、スムーズなABテストの実施においては重要となります。

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